大雪山レーベル
INTERVIEW 上川町×上川大雪酒造 編
発酵のチカラ 粕床 発酵のチカラ 粕床

上川大雪酒造のオリジナルブランド「杜氏の台所」シリーズ第一弾として、2021年11月に販売を開始した「発酵のチカラ 粕床」。酒造りの過程で生まれる良質の酒粕を無駄なく活用するために開発された万能調味料で、ふるさと納税の対象にもなっています。この粕床が誕生するまでには、偶然の出会いと、熱い思いにあふれたストーリーがありました。監修を務めた料理家の真藤舞衣子さん、上川大雪酒造の総杜氏(製造責任者)・川端慎治さん、上川町産業経済課の高野尚課長にお話をうかがいました。 真藤さん、粕床、料理の写真:吉澤健太/文:矢澤純子

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ゼロから
スタートした、
町初の酒蔵

北海道の中心部、大雪山の麓、上川町に、北海道で12番目の酒蔵が生まれたのは、2016年でした。その名は、上川大雪酒造「緑丘蔵(りょっきゅうぐら)」。日本酒の製造を休止していた三重県の酒造会社から免許を譲り受け、遠隔地に移して酒蔵を新設する極めて異例なケースでした。上川町の高野課長いわく「日本初のウルトラCといえる起業」。

その背景にあったのは、町全体で取り組んでいた“地方創生”でした。上川町の雄大な自然を生かし、大雪山系の天然水と北海道産の酒米で世界に通用する日本酒を造り、地元を盛り上げたい、そんな熱い思いがきっかけでした。

杜氏として迎えたのは、新十津川町にある金滴酒造で杜氏を務めた経験もある川端慎治さん。上川町の水と誰もやったことがない新しい酒蔵創生に惹かれ、建物の設計から携わり、醸造設備の導入、事務所のパソコンのセッティングまで、一手に担いました。

「本当にゼロの状態からの立ち上げで、私以外の蔵人は全員未経験者。とんでもなく大変でしたが、上川町の役場職員の方はアグレッシブで協力的。洗米や草刈りなど、ボランティアで手伝ってくれて助かりました」と川端さん。

地元の人と共に手探りの中ではじめた日本酒造りですが、良質な水と北海道産の酒米で丁寧に造られた純米酒は、今や町の酒として町民の誇りに。

「上川町の人は、上川大雪酒造のお酒を“うちのお酒はおいしい”と胸を張って言います。まだできて4年しか経っていないのに、ここまで地元の信頼を得ているのはすごいこと。役場のみんなもすっかり上川大雪酒造と川端さんのファンです」と高野課長も誇らしげに話します。


(上)上川町は日本最大の山岳自然公園「大雪山国立公園」の麓にある人口3,400人ほどの小さな町。北海道最高峰の旭岳を含む大雪山系や石狩川の清流など自然環境に恵まれ、広大な農地ならではの農業や畜産も盛ん。「層雲峡温泉」は年間約200万人もの観光客が訪れる。

(下)上川大雪酒造の「緑丘蔵」。酒蔵にはギフトショップも隣接。手造りの伝統的な手法で丁寧に仕込む“小仕込み・高品質”の酒造りを行い、派手さは求めず「普通においしい酒」、誰でも飲みやすい「飲まさる酒(北海道弁でつい飲んでしまうという意味)」を目指している。

上川町

上川町は日本最大の山岳自然公園「大雪山国立公園」の麓にある人口3,400人ほどの小さな町。北海道最高峰の旭岳を含む大雪山系や石狩川の清流など自然環境に恵まれ、広大な農地ならではの農業や畜産も盛ん。「層雲峡温泉」は年間約200万人もの観光客が訪れる。

緑丘蔵

上川大雪酒造の「緑丘蔵」。酒蔵にはギフトショップも隣接。手造りの伝統的な手法で丁寧に仕込む“小仕込み・高品質”の酒造りを行い、派手さは求めず「普通においしい酒」、誰でも飲みやすい「飲まさる酒(北海道弁でつい飲んでしまうという意味)」を目指している。

川端慎治

総杜氏の川端慎治さん。金沢大学工学部の学生時代、石川県の酒「菊姫」のおいしさに涙を流すほど感動したことから酒造りの道へ進むことを決意。石川、福岡、岩手、山形、群馬の酒蔵で経験を積んだ後、北海道へ帰郷。金滴酒造で杜氏を務めていた。

粕床誕生の
ベースになった、
杜氏の料理と
ネットワーク

上川町で上川大雪酒造が愛されているのは、日本酒のおいしさはもちろん、生産者など地元の人との交流を積極的に行う川端さんの人柄も大きいようです。

学生時代は料理店でアルバイト経験があり、大の料理好きの川端さん。「全国の酒蔵で修業を積んで40歳で北海道に帰郷しましたが、これまで住んだ町は飲食店があまりない場所ばかりだったので、おいしいものを食べるには自炊するしかなかったんです。それで料理を」。

緑丘蔵に続いて2020年に帯広にできた「碧雲蔵(へきうんぐら)」には業務用の調理設備があり、川端さんが自ら料理をしてお客さんをもてなしているそう。料理の腕は「お店を開いたら繁盛するんじゃないかというくらい」と高野課長も絶賛するレベル。料理を食べながら酒を酌み交わすことで自然と仲が深まり、人の縁がつながっていく。杜氏の料理は地元のネットワークを広げるきっかけにもなっていきました。

オリジナルブランド「杜氏の台所」のネーミングは、川端さんが酒蔵のキッチンで料理を作っていたことからインスピレーションを得て名づけられたそう。「私の料理だけではないです。上川町には、お互いを助け合う風土のようなものを感じます」。


『発酵のチカラ 粕床』のパンフレットを開くと現れる川端総杜氏のイラスト。酒蔵で蒸米に種麹を振る川端さんの姿をイメージしている。

発酵のチカラ 粕床 発酵のチカラ 粕床

『発酵のチカラ 粕床』のパンフレットを開くと現れる川端総杜氏のイラスト。酒蔵で蒸米に種麹を振る川端さんの姿をイメージしている。

高野尚課長

上川町役場の高野尚課長。産業経済課課長として様々な町おこしを主導。上川町を盛り上げるための新たなビジネスやワークスタイルを提案している。

発酵食の縁で
つながる、
新商品開発

「日本酒は水で味が決まると言ってもいいくらいです。上川の水は超軟水だけど芯がある。お酒を飲むと水のおいしさがわかります」と川端さん。そんなに良い水が使われている酒粕も、当然おいしさはお墨付きです。

しかし、緑丘蔵だけで年間に十数トン出るという酒粕は、なかなか消費が追いつかず、放っておくと産業廃棄物になってしまいます。上川大雪酒造では、これまで板粕の販売や酒粕スイーツの原料などに活用していましたが、このおいしい酒粕をもっと大量に生かすにはどうしたらいいか頭を悩ませていました。

そんな時、知人の紹介で出会ったのが、発酵料理に精通する料理家の真藤舞衣子さん。酒粕を使って新しい発酵食生活の提案をしようと、タッグを組んで商品開発をすることになりました。


料理家の真藤舞衣子さん。料理家として、料理はもちろん、お菓子やパンなどのレシピも提案。幅広く活躍中。現在は、子どもの頃から親しんだ発酵食のすばらしさも発信している。

真藤舞衣子 真藤舞衣子

料理家の真藤舞衣子さん。料理家として、料理はもちろん、お菓子やパンなどのレシピも提案。幅広く活躍中。現在は、子どもの頃から親しんだ発酵食のすばらしさも発信している。

真藤さんは料理好きの母と祖母に育てられ、子どもの頃から、自家製の漬け物や粕汁、いずしといった発酵食に慣れ親しんできました。「私にとって発酵食は特別なものではなく、当たり前に食べていたもの。北海道には親戚や祖父の家があり、よく遊びに行っていた土地だったので、ご縁を感じました」と真藤さん。

料理に慣れない人だと酒粕は普段なかなか使いにくいもの。酒粕のハードルを下げるためにはどうしたらいいか試行錯誤が続きました。「最初はぬか床のようなものを考えていたんですが、漬けるだけだと用途が狭い。酒粕にみそ、砂糖などを加えて調味料としても使えるようなものを目指しました」と真藤さん。材料の配合を変えて試食してもらい、意見を聞いてまた試作の繰り返し。

粕床のレシピが完成したら、次はブランディング。上川大雪酒造のクリエイティブディレクター、新村銀之助さんによると、酒蔵のある地元の方々をはじめ、より多くの方に酒粕の良さを知ってもらうため、レシピBOOKや特設サイトも作ったとのこと。こうして約1年かけて完成したのが、「発酵のチカラ 粕床」でした。

発酵のチカラ 粕床

いろんなシーンで
使ってほしい!
漬けるだけ、
加えるだけで
おいしくなる粕床

「上川大雪酒造の酒粕そのものの素材がいいので、ディップのように粕床をそのまま食べてもおいしいですよ。酒粕は栄養豊富ですし、発酵食は腸内環境を良くするのに効果的なので、日々の食事に取り入れてもらえたらうれしいです」と話す真藤さん。その使い方も多彩。

「発酵のチカラ 粕床」でまず試して欲しいのは、肉や魚、野菜といった食材を漬けること。1日ほど漬けるだけで、うまみが倍増。肉は酵素の力で柔らかくなり、安い肉でもぐっとおいしさが増します。漬けた状態で冷凍すれば、1ヶ月ほど日持ちするので保存食としてもおすすめ。

また、調味料としても万能で、粕汁はもちろん、炒めもの、あえもの、パスタなどの味つけにも使えます。粕床にみそが入っているので、基本的にみそを使うような料理に合いますが、粕床+スパイスで中華に、粕床+バターでソースに、野菜と一緒にミキサーにかければポタージュに……。使い方次第で和洋中どんなメニューにもマッチし、風味よく、深みのある味わいに仕上がります。

魚 どんなメニューにもマッチ

調理の際は、加熱しすぎると風味が損なわれるので、仕上げに加えるのがポイントだそう。商品を購入すると、真藤さん考案のレシピが掲載されたパンフレットがついているので使い方の参考になります。粕床を使ったお菓子やパンなど、レシピは今後もどんどん新しく公開される予定ですのでお楽しみに。

北海道は食の宝庫です。真藤さん考案のレシピにも、じゃがいも、とうもろこし、鮭、長芋など、北海道産の食材が多く使われています。上川町のレストランやカフェでは、酒粕をうまく生かしたメニューもいろいろ食べられるそう。粕床で上川町を身近に感じたら、今度はぜひ現地へ足を運んで、日本酒をはじめとする地元の味を楽しんでください。

↑← 「発酵のチカラ 粕床」についているパンフレットには、食材を漬ける基本メニューから、調味料として使うアレンジレシピまで、バラエティ豊かな粕床レシピが満載。写真は、上から、魚の漬け込みグリル(鮭)、鶏つくね入り粕汁、ベーコンと粕床のクリームパスタ、ポテトサラダ。

★特設サイトでも粕床を使った真藤さんのレシピを公開中。今後もレシピは随時更新される予定。
https://kasudoko.storeinfo.jp

ベーコンと粕床のクリームパスタ ポテトサラダ

「発酵のチカラ 粕床」についているパンフレットには、食材を漬ける基本メニューから、調味料として使うアレンジレシピまで、バラエティ豊かな粕床レシピが満載。写真は、上から、魚の漬け込みグリル(鮭)、鶏つくね入り粕汁、ベーコンと粕床のクリームパスタ、ポテトサラダ。

★特設サイトでも粕床を使った真藤さんのレシピを公開中。今後もレシピは随時更新される予定。
https://kasudoko.storeinfo.jp

PRODUCT INFOMATION
発酵のチカラ 粕床
発酵のチカラ 粕床

1,296円(税込)/750g
※本商品はアルコール分を含んでいます。
妊娠中や授乳期、お子さま、
お酒の弱い方はご遠慮ください。

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PROFILE
  • 川端慎治
    川端慎治

    1969年北海道小樽市生まれ。金沢大学工学部に在学中、石川県の酒「菊姫」のおいしさに涙を流すほど感動し、酒造りの道へ。石川、福岡、岩手、山形、群馬の酒蔵で経験を積んだのち北海道へ戻り、金滴酒造で杜氏を務める。2011年、北海道産酒造好適米「吟風」100%で醸した酒で全国新酒鑑評会にて金賞を受賞。2016年から上川大雪酒造「緑丘蔵」に杜氏として参画。2020年、国立帯広畜産大学の客員教授に就任。

  • 真藤舞衣子
    真藤舞衣子

    料理家。IT会社勤務を経て約1年間、京都の禅寺で生活したのち、パリのリッツエスコフィエでディプロマ取得。東京の菓子店で勤務後、赤坂でカフェ&サロン「my-an」をオープンし、6年半営む。発酵食をはじめとする料理から、お菓子やパンまで幅広くレシピを提案し、書籍や雑誌などで活躍。著書に『免疫力が上がる、おいしくなる からだが整う発酵おつまみ』、『ポリ袋で簡単、おいしい はじめてのみそ作り』(ともに立東舎)他、多数。2022年2月上旬に新刊「発酵美人になりませう」(宝島社)発売予定。

  • 高野尚
    高野尚

    1972年、北海道美瑛町生まれ。1990年、上川町役場に入庁後、税務、農林、建設、総務、企画などを経て、現在、産業経済課課長として、様々な町おこしを主導。2019年からスタートした「KAMIKAWORK」(https://www.kamikawork.jp)というプロジェクトでは、外部からさまざまなジャンルのプロデューサーを迎え、上川町を盛り上げるための新たなビジネスやワークスタイルを生み出している。

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