大雪山レーベル
INTERVIEW 上川町
×コロンビアスポーツウェアジャパン 編
ふるさと納税から広がるアウトドアライフ ふるさと納税から広がるアウトドアライフ

「大雪山に寄りそうすべての人たちの心には何かの豊かさを感じる。都市に住む人も地方に住む人も、もっともっと自然と寄りそい、もっともっとアウトドアを楽しもう。大雪山の大きさはすべての人を受け入れてくれるはずだ」

2021年3月25日、北海道上川町とパートナーシップを結んだコロンビアスポーツウェアジャパン(以下コロンビア)のホームページには、こんな言葉が並んでいます。上川町とコラボレーションするきっかけを担ったコロンビアの出村契志さんは、上川町を初めて訪れた際、すぐに「この町と何かやりたい」と思ったのだそう。上川町と出村さんとの出会いから、ふるさと納税返礼品の開発ストーリー、上川町とコロンビアがともに夢見る未来について、今回のプロジェクトに加わった上川町役場の宮川雄太さん、小林法矢さんとともにお話をうかがいました。 インタビュー、製品関連の写真:樋口勇一郎/文:鹿野育子

寄付の申し込みはこちら

  • 楽天ふるさと納税楽天ふるさと納税楽天ふるさと納税
  • さとふるさとふるさとふる

出会いは偶然!
趣味の野球だった

上川町とコロンビアの出会いは、上川町役場の三谷航平さんと出村さんの偶然の出会いがきっかけでした。以前は出版社でファッション媒体の企画営業をしていた出村さん。その出版社に出向してきた三谷さんと知人を通して知り合い、やがて野球という共通の趣味で意気投合。互いの仕事についても話すうちに、新たな化学反応が生まれていきました。

「アウトドアのメーカーはいろいろなエリアと包括連携協定を結んでいて、ふるさと納税返礼品の開発や山道整備など、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。わが社でもやろうという話が出ていたタイミングで上川町さんと出会い、トントン拍子で話が進んだんです」と、出村さんは当時を振り返ります。


偶然出会い、自らの野球チームに三谷さんを誘ったことが、こんなプロジェクトにつながるなんて思ってもいなかったと語る出村さん。

出村契志

偶然出会い、自らの野球チームに三谷さんを誘ったことが、こんなプロジェクトにつながるなんて思ってもいなかったと語る出村さん。

コロンビア、マッスィモ・ラッザリ社長と、上川町、佐藤芳治町長

包括連携協定締結式で固い握手をする、コロンビア、マッスィモ・ラッザリ社長と、上川町、佐藤芳治町長。コロンビアが包括連携協定を結ぶのは、本国を含めて初めて。上川町とのパートナーシップは、グローバル的にもよい取り組みだと支持されている。

コロンビアでは、毎年札幌で展示会を行っており、その流れで上川町を視察。「氷瀑祭り、層雲峡温泉などを案内してもらいました。自然環境的に申し分のない素晴らしい町なうえに、町の人もとても温かくてオープンマインド。コロンビアファンの方も多く、『いつもこれ着てるんです』なんて話かけてくれて、ウェルカムな空気感でいっぱいでした。人としても、つながっていて、すごく気持ちいい町だと思ったし、冬は温泉や氷瀑祭りもあって、夏もキャンプ場を改修してがんばっているし、四季を通じていろいろなプロジェクトができそうだというビジョンが自然と見えてきたんです」。

そこから一気に話が進み、2021年、包括連携協定を結ぶことに。観光地である黒岳ロープウェイのふもとにブランド初となるフィールドショップやカフェを作るなど、スピード感をもってコラボレーションが実現していきました。


(上)ふるさと納税の返礼品開発に先駆け、コロンビアが上川町にオープンしたフィールドショップ、”Columbia Field Store 黒岳ロープウェイ店”。

(下)併設のカフェ、”Black Mountain Coffee by Columbia”。ほかに、層雲峡温泉や大雪山周辺のアクティビティ、観光の案内所”大雪山ツアーズ アドベンチャーデスク”もオープン。

Columbia Field Store 黒岳ロープウェイ店

ふるさと納税の返礼品開発に先駆け、コロンビアが上川町にオープンしたフィールドショップ、”Columbia Field Store 黒岳ロープウェイ店”。

Black Mountain Coffee by Columbia

併設のカフェ、”Black Mountain Coffee by Columbia”。ほかに、層雲峡温泉や大雪山周辺のアクティビティ、観光の案内所”大雪山ツアーズ アドベンチャーデスク”もオープン。

町と企業が共創する
唯一無二の返礼品を目指す

こうした中、コロンビアとしても初めてとなる、ふるさと納税返礼品の開発がスタート。
「ふるさと納税の返礼品を作りたいという話は、以前から三谷さんを通して聞いていて。三谷さんがコロンビアの展示会に来てくれて、どういうものが作れるのか話し合いを重ね、使い勝手がよくて人を選ばないクーラートートなどを作ることに決まりました」と出村さん。

商品の方向性が決まったところから、上川町役場の宮川雄太さん、小林法矢さんがジョイン。上川町役場では、このプロジェクトを公募制にしていました。本来、担当ではない若手職員が民間企業とのプロジェクトにチャレンジできる仕組みがあること、若手の熱意や意見を反映し、よりよいものづくりを目指すところに、前例にこだわらない、上川町ならではの風通しのよさがうかがえます。

登山やアウトドアが趣味で、ふだんからコロンビアの製品を愛用していた宮川さん。ふるさと納税返礼品のプロジェクトが公募制と知って、真っ先に手を挙げたのだそう。
「ふるさと納税に関する仕事については、部署が違うこともあって、くわしく知らなかったのですが、コロンビアさんと何か商品を開発するらしいと聞いて、とにかく面白そうだと思いました」。


返礼品プロジェクトの公募を知って、「面白そう! ぜひやりたい!」と、チームに加わった宮川さん。

宮川さん

返礼品プロジェクトの公募を知って、「面白そう! ぜひやりたい!」と、チームに加わった宮川さん。

宮川さんの誘いを受けて、同僚の小林さんも応募します。
「私は産業経済課 農林水産グループで、農業や林業、水産業の行政の仕事をしています。私も宮川も、ふだんは総務系の仕事で、ふるさと納税のプロジェクトには、一切タッチしていない部署にいるのですが、そんな中で公募があって、自分もぜひ参加したいと思いました」。

一般的に企業とコラボレーションする返礼品は企業主体で進めるものが多いが、今回、コロンビアと上川町は密に打ち合わせを重ねながら共創して開発。出村さんは、ふだんから上川町の豊かな自然の中でアウトドアを身近に感じている宮川さん、小林さんの意見を積極的に聞き、また、宮川さんと小林さんは、返礼品をきっかけに、上川町のよさをもっともっと知ってもらいたい、たくさんの人に上川町に来てほしいという熱意をもって取り組みました。


役場内でも親しい宮川さんからの誘いに、二つ返事でOKを出した小林さん。上川町の自然を知り尽くした地元上川町生まれ。

小林さん

役場内でも親しい宮川さんからの誘いに、二つ返事でOKを出した小林さん。上川町の自然を知り尽くした地元上川町生まれ。

ふるさとへの誇り、魅力がつまった、
DAISETSU柄バッグができるまで

クーラートートのキャッチーな絵柄。名づけて「DAISETSU柄」。上川町の自然をフィーチャーしたデザインは、どのようにして生まれたのでしょうか? 上川町ならではのオープンな開発への思いとスピード感に応えるため、コロンビアでもスピーディーかつ柔軟に対応できるよう、出村さんは工夫をこらしました。

「うちはアメリカの会社なので、商品1つ作るにしても、本社の承認を取らなくてはいけなかったり、認証工場で作らなくてはいけなかったりと、日本のブランドと比べてハードルが高く、進めるのに時間がかかります。そこで、すでに同じような製品を展開している自社のポートランド柄のアイテムをベースに、上川町ならではの図柄を考案すれば、クイックに、さらに素晴らしいもの作れるんじゃないかと考えて町に提案しました。その結果、『じゃあ、上川柄のイラストを作ってみよう』ということに。上川町を象徴するシーンを宮川さんや小林さんたちにいろいろと提案していただいて、最初はイラストの開発からはじまって、デザイン画に落とし込んでいきました」。

宮川さんと小林さんは、大雪山、黒岳ロープウェイ、スキーをするシーンなど、上川町が誇る風物詩をさまざま提案。試行錯誤を重ね、柄の1つ1つに楽しみがあるDAISETSU柄が誕生します。


ネイビーとブルーの2色で、イラストの大きさを変えたサンプル生地を制作。イラストは何度も修正を重ねた末、上川町の四季の美しさを映し出したDAISETSU柄がついに完成。

DAISETSU柄 DAISETSU柄

ネイビーとブルーの2色で、イラストの大きさを変えたサンプル生地を制作。イラストは何度も修正を重ねた末、上川町の四季の美しさを映し出したDAISETSU柄がついに完成。

「画像でDAISETSU柄を初めて見たときは、すごくかわいい!と思いました。小林と二人で思わず、『いいね~!』って感動して。実際に製品サンプルを見て、ますますいいなと思いました。クーラートートの大きさも家族で使うのにちょうどよく、上川町のキャンプ場などで、ぜひ使ってほしいと思ったんです。返礼品は、同じ自治体である上川町の人は受け取れないので、DAISETSU柄で小さいポーチなどをノベルティで用意したり、サコッシュやレジャーシートなどを作ったりするのもいいんじゃないかと、いま、さらにアイディアを練っているところです」と、宮川さん。

小林さんは、「自分もそうなんですが、ふだん車を交通手段にしている方は、車の中に置いておいて、日常の生活でも使いたいし、ぜひ、使ってほしいです」と語ります。

ふるさと納税から生まれたDAISETSU柄は、上川町のキャラクター的な絵柄にもなりそうです。


外観は、ブルーの生地にDAISETSU柄が施されたおしゃれなデザイン。センターにはコロンビアのロゴが。機能的にも、断熱材と防水素材を使ったトートタイプのクーラーバッグは間口が広く、保冷剤用のメッシュポケットもついた使いやすい仕様に。

クーラーバッグ クーラーバッグ

外観は、ブルーの生地にDAISETSU柄が施されたおしゃれなデザイン。センターにはコロンビアのロゴが。機能的にも、断熱材と防水素材を使ったトートタイプのクーラーバッグは間口が広く、保冷剤用のメッシュポケットもついた使いやすい仕様に。

コロンビアならではの高いクオリティ コロンビアならではの高いクオリティ コロンビアならではの高いクオリティ

容量は17ℓで、女性でも持ちやすい大きさ。肩掛けもできて便利。キャンプはもちろん、日常的な買いものなど、ふだん使いにもおすすめ。全てにおいて、コロンビアならではの高いクオリティに裏打ちされた製品づくりが徹底されている。

関係人口を増やして
上川町の魅力をさらに届けたい

出村さんと三谷さんという、点と点のつながりから、宮川さん、小林さんを含め、上川町役場の皆さんとの協力で始まった、上川町とコロンビアのコラボレーション。今後の取り組みを皆さんにうかがいました。

「包括連携協定を結んだときから、引き続きコロナ禍で、やりたいと思っていた登山道整備ツアーなどが実現できず、人を呼び込むという点では貢献できていない部分もあります。ここ1~2年は、『DISCOVER大雪』というテレビ番組を上川町さんと共同制作し、町の自然の雄大さや、アウトドアアクティビティなどの発信はしてきました。ここからは、ちゃんと人を動かして、上川町のよさを体感してもらうフェーズに行きたいと思っています。また、自然環境は、ただ登山しているだけでも破壊されてしまうので、誰かが補修しないといけないわけですが、そういった活動を支援するためのツアーなど、上川町さんと直接コネクションを作りながら、支援の枠組みを作りたいと思っています」と出村さん。

上川町にとっては、どんな未来を創っていけそうか、宮川さんはこう話します。
「コロンビアさんとせっかく協定を結んでいるので、町として、さらにいっしょに創造できることを打ち出していきたいです。たとえば、ホテルなども巻き込んで、コロンビアさんとツアーなどを組みたいですね。大雪山や黒岳なども、登ったら本当に眺めがいいんですよ。黒岳に行く途中の景色も、上川町に住んでいたら見慣れているけれど、柱状節理というダイナミックな峡谷もきれいで、初めて見た人ならきっと感動する景色がいっぱいあります」。

車が趣味の小林さんは、「私は、車関連でコロンビアさんのアウトドアグッズをからめたいです。林業の仕事から思いついたのですが、産材を活用して、ワンボックスカーの中に机やいすなどを設置する移動オフィスカーの企画があるのですが、それに伴うグッズを、コロンビアさんの製品でセットにしたら、かっこいいなと思います」。


(上)コロンビアと上川町の共同制作によるテレビ番組「DISCOVER大雪」。大雪山国立公園を有する上川町の自然を魅力たっぷりに紹介しながら、町に携わる人々を通して、アウトドアアクティビティを発信している。

(下)上川町初のバッグの返礼品を前に、今後のコラボレーションへの期待と夢を語り合う3人。このチャレンジがさらに次のステージにつながっていく。

DISCOVER大雪

コロンビアと上川町の共同制作によるテレビ番組「DISCOVER大雪」。大雪山国立公園を有する上川町の自然を魅力たっぷりに紹介しながら、町に携わる人々を通して、アウトドアアクティビティを発信している。

今後のコラボレーションへの期待と夢を語り合う3人

上川町初のバッグの返礼品を前に、今後のコラボレーションへの期待と夢を語り合う3人。このチャレンジがさらに次のステージにつながっていく。

「自分は毎日ビル群の中で働いていて、なかなか自然と接する機会がありません。ふだんからアウトドアを身近に感じている方、自然環境の豊富なエリアに住んでいる方からの意見は非常に貴重で、そういうリクエストは、ぜひいただきたいです。包括連携協定で町の企画に携わらせていただいてから、町が変わっていくのもいっしょに見ることができているので、自分たちも負けじと、次のフェーズに行かないとついていけないので、こちらからもアイディアは出していきたいと思います」と出村さんも応えます。

「連携を結んでまだ2年めですが、上川町がどんなところかわかっているのは、社内でも関係している一部の人間だけです。まず、コロンビアの社員が町をちゃんと認識できることが大事です。上川町さんは、ワーケーション事業を積極的にやろうとしているので、そこにうちの社員を送ってコロンビアの人間はみんな上川町に一定の共通の理解があるようにしたい。互いに知ることで、社内からも、さらに新しいアイディアが出てくるかもしれません。町と会社同士で関係人口を増やしていきたい。点と点でなく、線をどんどん広げていきたいです」。
出村さんの言葉に、深くうなずく宮川さん、小林さん。

「大雪山の魅力を、そして、自然と調和する豊かな暮らしを
すべての人に届けていくために
わたしたちは手を取り合って
さまざまなチャレンジを行っていく」

コロンビアのホームページに掲げられたこの言葉どおり、上川町とコロンビアとの未来予想図は、熱い思いとつながりの中、さらに新しいシーンを生み出しそうです。


コラボの新たな取り組みは、さらに広がっている。来年の秋冬にコロンビアとシアタープロダクツがコラボして作るかばんの中に、環境保全のため、日本山岳遺産基金に売り上げの一部を寄付する対象商品がある。かばんにはベルクロのオスがついており、かばんに貼るKURODAKE(上川町の黒岳)のワッペンを先行して制作。かばんは山岳遺産基金に、ワッペンは自分が応援する団体に寄付といった枠組み作りを考えており、賛同した上川町がその先行事例になっている。

KURODAKEのワッペン KURODAKEのワッペン

コラボの新たな取り組みは、さらに広がっている。来年の秋冬にコロンビアとシアタープロダクツがコラボして作るかばんの中に、環境保全のため、日本山岳遺産基金に売り上げの一部を寄付する対象商品がある。かばんにはベルクロのオスがついており、かばんに貼るKURODAKE(上川町の黒岳)のワッペンを先行して制作。かばんは山岳遺産基金に、ワッペンは自分が応援する団体に寄付といった枠組み作りを考えており、賛同した上川町がその先行事例になっている。

PRODUCT INFOMATION
発酵のチカラ 粕床
フェスティバルウッズ17Lクーラートート
DAISETSUオリジナルカラー

寄付金額 13,000円
重量(目安)560g/容量(目安)17L
高さ33cm/幅34cm/奥行(目安)20cm
※250個限定 ※ふるさと納税限定商品

包括連携協定を結んだ北海道上川町×コロンビアスポーツウェアジャパン、初のコラボレーション返礼品。コロンビアにて販売を行っているフェスティバルウッズ17Lクーラートートを基本として、デザインは上川町の風景を切り取ったイラストをいくつも落とし込んだ”DAISETSU柄”を新たに制作しました。キャンプをはじめピクニックでの使用はもちろん普段のお買い物でも大活躍間違いなし!

この商品の寄付申し込みはこちら

  • 楽天ふるさと納税楽天ふるさと納税
  • さとふるさとふる
PROFILE
  • 出村契志
    出村契志

    株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン マーケティング部 プロダクトマーケティング課 PR担当。大学を卒業後、出版社でメンズファッション雑誌の企画営業を担当。2018年よりコロンビアに入社、前職の経験を活かし広告制作、プレス業務を担当。展示会等のイベント運営やコロンビアのスポンサードアスリートサポートまで野球で培った体力と根性で日々邁進中。

  • 宮川雄太
    宮川雄太

    上川町役場総務課総務財政グループ。大学を卒業後、民間企業で4年間勤務し、2018年北海道上川町役場入庁。庁舎の修繕や備品の購入、書類の廃棄など、庁舎に関わること全般と公用車の点検や事故対応などの仕事に主担当として携わる。職員の働きやすい庁舎を目指し挑戦中。

  • 小林法矢
    小林法矢

    上川町役場産業経済課農林水産グループ。2016年北海道上川町役場入庁。上川生まれ上川育ち。現在の主な仕事内容は、林務行政における町有林の維持管理、活用の企画、有害鳥獣による農業被害対策の協議会運営などの仕事に携わる。林務・鳥獣以外でも、上川町の魅力づくりに向けた取り組みに挑戦中。

アイコンアイコン
寄付の申込み 寄付の申込み